石垣島のダイビングは何月がベストシーズン?見どころやスポットのおすすめを紹介!
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Toggle石垣島のシーズンごとのダイビング情報をお届けします!
新石垣空港の南ぬ島空港ができてから、大阪や名古屋などの都市部からのアクセスも良好となった石垣島。離島ならではの壮大な自然や多種多様な生物が見られることで、訪れる人を魅了してやまない島です。
水温は沖縄本島より少し高く、1年を通して温暖な気候であるため、どの季節も快適なダイビングを楽しむことができます。
また、行く時期によって見られる魚やダイビングポイントが変わるので、いつ潜っても変化に富んだ美しい海が迎えてくれます。そんな魅力溢れる石垣島でのダイビングの見どころを、シーズンごとにたっぷりお伝えしていきます。
ここからは、季節ごとの水温・気温、見られる生き物、行くポイントの違いを見ていきましょう!
石垣島の4月・5月・6月おすすめポイント
4〜6月は北風から南風に変わる時期なので、気温24〜30℃と温度差が激しくなります。そのため服装は半袖+長袖、ボートコートやウィンドブレーカーといった羽織ものを持って行く方がいいでしょう。
石垣島では例年GWを過ぎると梅雨入りしますが、本島のような1日中シトシトした雨が降ることは少なく、ざっとスコールが来る程度なので比較的快適に過ごせます。
水温は23〜27℃と気温に対して変化は小さいものの、6.5mmウェットスーツやドライスーツから5mmウェットスーツへ徐々に切り替わっていく時期なので、スーツ選びには天気予報を充分チェックして臨むことをお勧めします。
海の中は生命の息吹を感じさせる神秘的なサンゴの産卵をはじめ、様々な幼魚たちが卵から還り、ダイバー達の視界を彩ります。キンメモドキの大きな群れに驚かされることも。
また、6月後半からヨナラ水道が解禁となるためマンタ遭遇率もアップします。この時期はマンタの求愛行動が見られる機会にも恵まれ、海の生き物たちの生命力を目の当たりにできる貴重なシーズンといえます。
4月〜6月のダイビングエリア
川平石崎
石垣島北西部に位置する川平石崎(かびらいしざき)は北風に弱いため、南風に変わっていく4月からシーズンを迎えます。川平周辺に泊まっていれば底地ビーチからボートで出航し、約10分で行くことが可能ですが、市街地ステイでも大型ダイビングボートで快適にアクセスができます。
水深15〜25mの海底からはサンゴの根がいくつも立ち上がり、水深8〜13mほどまで根のトップが伸びています。この周辺には「マンタスクランブル」「マンタシティ」と呼ばれるスポットが点在しており、読んで字のごとくマンタが数多く集まることが名前の由来です。
なぜこんなにマンタが集まるのか、現在でも理由がはっきりとわからないと言われています。しかし、サンゴ根の上にいるベラやチョウチョウウオなどの「クリーナー」たちに背中やヒレについた寄生虫を食べてもらう姿を見ていると、彼らにとってリラックスできる場所になっているのかもしれません。
そんなマンタの様子を間近で観察することができるうえ、深度もそこまで深くないため、初心者ダイバーの方にもおすすめのエリアです。
屋良部
石垣島西部にある「屋良部崎(やらぶざき)」の沖合に位置するスポットで、見渡す限り平たい岩盤の連なるダイナミックな地形が広がります。ここでは近年、屋良部沖海底遺跡と呼ばれる場所が発見され、17〜19世紀の遺跡である可能性が示唆されており大変注目を集めています。
水深10〜30mほどで流れがある場合があるため、中級〜上級者ダイバー向けのスポットです。地形の迫力に負けず劣らず、見られる魚もダイナミック。イソマグロやバラクーダといった大型回遊魚をはじめ、キンメモドキの大群に誘われてカスミアジがアタックする様子には目を奪われます。
深場には珍しいアケボノハゼやニチリンダテハゼが生息しており、マクロ派ダイバーも楽しめる魅力的なダイビングエリアとなっています。
名蔵湾
石垣島最大の湾である名蔵湾(なぐらわん)。陸にはヤエヤマヒルギを中心としたマングローブ群が自生し、多種多様な生物で出会えることから、国際的に重要な湿地として八重山諸島で唯一ラムサール条約に登録されています。北からの波やうねりが入りにくい地形になっているため、風向きの変わる時期にも穏やかな海で潜ることができます。
水深10〜20mとそこまで深度がないため、初心者ダイバーも安心して潜れるのも魅力の1つです。浅場の棚にはサンゴがひしめき合い、春には様々な幼魚で賑わいます。
さらに名蔵湾には長さ24m、幅約17m、高さ約10mもある日本最大級のコモンシコロサンゴの群生ポイントがあり、ベラやスズメダイなどカラフルな小魚たちが集まっています。初心者ダイバーでも中性浮力をしっかりと取れるようになれば、サンゴを傷つけることなく、心ゆくまでフィッシュウォッチングができる楽園のようなエリアです。
石垣島の7月・8月・9月おすすめポイント
7〜9月は安定して南風となり、気温は29〜34℃と本格的な夏の到来です。梅雨明けの7月は「カーチバイ」という強い南風の季節風が10日間程度吹きますが、それ以降は焼けるような日差しに。8月に入ると台風の心配も出て来るため、気象情報をチェックして無理のない旅行&ダイビングプランを立てましょう。
服装は半袖短パンが基本となり、強い日差しが気になる方は薄い羽織ものを1枚持って行くと安心です。水温は29℃〜31℃となるので、3mmウェットスーツで快適に潜ることができます。
この時期は沖縄全体でダイビングのオンシーズンを迎えます。特筆すべきは夏の日差しです。海の中に強い光が差し込むことで、独特な地形をより一層印象的なものに感じられます。海底の薄暗い洞窟に光が差す様は、ダイバーしか享受できない特別な光景といえるでしょう。
生き物たちの動きも活発になる季節、春から見られはじめたマンタもより高確率で出会うことができます。水面にはキビナゴの群れが泳ぎ、それを狙ってカツオやアジなどが集まって来る様子も迫力満点です。
7月〜9月のダイビングエリア
崎枝
石垣島西部に位置する地形が有名なエリアです。水深12〜20mと比較的浅く、初心者ダイバーでも心にゆとりを持って地形ダイビングを楽しめます。ここには2つの代表的な地形ポイントがあります。
1つ目は「崎枝(さきえだ)ビックアーチ」です。水深12m付近にあるアーチをくぐると、ぽっかりと広い空間が空いており、見上げると岩の隙間から光のシャワーが降り注ぎます。光が波に揺られ形を変える姿は、思わず息を呑む美しさです。アーチの周りにはスカシテンジクダイが泳ぎ、岩陰に目を凝らすとイセエビが身を潜めていて、見どころの多いポイントです。
2つ目は「崎枝迷路」です。名前からもお分かりいただけるとおり、迷路のように入り組んだ地形が特徴です。自然が作り出したアーチとトンネルが、太陽の光を複雑に反射し、幻想的な光景を生み出します。魚の種類も豊富で、アカククリやゴシキエビの他に、5種類ものクマノミ(カクレクマノミ・クマノミ・ハマクマノミ・ハナビラクマノミ・セジロクマノミ)を見ることができる贅沢なポイントです。
米原
石垣島北部に位置する米原(よねはら)は、ビーチからボートに乗って約5分で到着する好アクセスポイントです。距離は近いものの「米原Wリーフ」という、サンゴ畑といっても過言ではないほど見渡す限りのサンゴが視界を埋め尽くすポイントがあります。
水深5〜6mの浅場でもサンゴが観察できるため、初心者ダイバー向きであるほか、ガレ場も多く存在するためマクロ派ダイバーにもおすすめです。周辺にはオキナワサンゴアマダイやイエローボクサーシュリンプといった珍しいものから、ハナダイやスズメダイなど目に美しい魚たちが生息しており、まさに南国の海といった雰囲気を感じさせます。
さらに米原には「樹下美人」と呼ばれるポイントも存在します。こちらには水深8〜3m付近まで伸びた樹木のような形の美しい根があり、アカネハナゴイやキンギョハナダイが泳ぐ姿を見ることができます。
波照間島
日本最南端の有人島である波照間島(はてるまじま)は、石垣島から船で約60分と行くまでに少々時間がかかります。しかし時間をかけた分、見どころの多い場所でもあります。
透き通った青い海は「波照間ブルー」と称され、国内屈指の透明度を誇ります。そんな離島でのダイビングは、潜る場所によって大きく印象が異なります。北西岸のニシ浜付近は、真っ白い砂浜やサンゴ礁が広がるポイントです。
砂地にはダイバーの影が映り、点在する根にはテンジクダイやハナダイたちの姿が見られます。ただ泳いでいるだけで心が満たされていく、天国のような場所です。対照的に東岸では、水深30mにも及ぶドロップオフがあり、砂地とは異なるダイナミックなダイビングを楽しめます。運が良ければイソマグロやツムブリなどの大型回遊魚が見られることも。
石垣島の10月・11月・12月おすすめポイント
10〜12月は南風から北風に変わっていく時期です。気温は21℃〜28℃となり、日差しの強い日が段々減っていきます。冬を迎えても本土に比べると圧倒的に暖かい石垣島ですが、服装は長袖長ズボンをベースに、ボートコートやウィンドブレーカー、念のため防寒具を持って行くといいでしょう。
水温は23〜27℃で5mmのウェットスーツにフードベストを合わせるか、ドライスーツを着て潜る方も出てくる季節です。
実は10月はマンタのトップシーズン、求愛行動をするマンタに出会えることもあります。10月を過ぎると北風の影響でマンタの見られるポイントに行けない日も出て来るため、タイミングを逃さないよう気をつけましょう。
水温が下がってくると、イソマグロやギンガメアジ、バラクーダなどの大型回遊魚を見られる確率が上がってきます。また、モエギハゼやスジクロユリハゼといったマクロ系もこの時期ならではの魚たちです。
さらに、冬場の海は透明度が上がるため、よりクリアな視界で石垣島の海を堪能できます。夏のオンシーズンを終えて落ち着きを取り戻した時期に、ゆっくりダイビングを楽しめるのも利点の1つです。
10月〜12月のダイビングエリア
大崎
石垣島西部に位置する大崎には「大崎(おおさき)ハナゴイリーフ」というポイントがあり、名前にも入っているハナゴイをはじめ、様々な生き物が生息しています。比較的浅瀬のリーフの上にはキンギョハナダイやアカネハナゴイが群れ、岩場にはウコンハネガイ、ウミウシの姿も見られます。また、ウミガメの寝床もあるため、高確率で出会えるチャンスです。
このポイントは冬場マンタの通り道になっていて、水面付近での捕食シーンを見られる可能性があります。砂地に目を向けるとチンアナゴの群れがいて、とにかく見どころが多いため、初心者から上級者ダイバーまで1日過ごしても飽きないエリアといえます。
竹富島
石垣島から高速船に乗って約40分のところにある竹富島(たけとみじま)は、伝統的な赤煉瓦の集落や水牛車散策ができるなど、沖縄の原風景が濃く残る島となっています。
そんな竹富島でのダイビングで冬場におすすめしたいのが「竹富北海底温泉」です。水深20mの海底から噴き出る天然温泉を見られるポイントで、温度は48℃と高めですが、海水を通すと適温になり離れがたくなります。
周辺はすり鉢状に窪んだ砂地に泥ハゼが生息しており、気持ちの良い源泉から少し水深を上げると、立派なウミウチワがあります。浅場まで行くとサンゴ域もあり、ニシテグリに遭遇することもできる場所です。水深のことを考えると長く入浴していられないポイントですが、個性的な生き物を観察するにはうってつけのエリアです。
パナリ島
石垣島から約24km離れており、船で約35分に位置するパナリ島は、正式名称を「新城島(あらぐすくじま)」といい、八重山諸島では神の島とも呼ばれています。島全体が西表石垣国立公園に位置し、手付かずの雄大な自然の足元には、さらに圧巻の世界が広がっています。
「パナリ竜宮の根」はその1つで、水深7〜8mの真っ白な砂地にそびえ立つ竜宮城のような形をした根が特徴です。スズメダイの仲間やスカシテンジクダイが無数に群れており、根に付着した真っ赤なイソバナにはクダゴンベの姿も見られます。根の周りの浅場にも、ハダカオコゼやイソコンペイトウガニなど、目を凝らせばたくさんの生物がいます。波も穏やかな場所なので、初心者ダイバーも安心して満喫する事ができます。
石垣島の1月・2月・3月おすすめポイント
1〜3月は風向きが北風に変わりますが、本格的な冬を迎えても気温が15〜20℃と10℃を下回ることのない石垣島。寒さのピークも1月中旬頃までで、そこを過ぎると天気のいい日が増えてきます。本土からダウンジャケットやコートで厚着していくと、かえって荷物になることもあるため、軽量のダウンを着ていくと重荷にならず済みそうです。水温は18〜23℃ですので、6.5mmのウェットスーツやドライスーツでしっかりと寒さ対策が必要です。ボートコートやウィンドブレーカーも忘れずに持って行くといいでしょう。
この時期は場所によって水面でプランクトンを食べにマンタが頻繁に現れます。10枚以上見られることもしばしばあるので、水中で見るより間近で迫力のある姿を楽しめます。2月に入るとコブシメが産卵を始めます。大きい個体で70cmにもなるコブシメが、メスを巡って大きく足を広げながら威嚇しあうシーンは必見です。
また、先駆けでセナキルリスズメダイやアマミスズメダイの幼魚が出始め、賑やかな春の訪れる予感がしてくる頃です。3月にはサンゴのポイントにも少しずつ温かい光が差し込み、気持ちの良いダイビングを楽しめます。
1月〜3月のダイビングエリア
黒島
石垣島からフェリーで約30分のところに位置する黒島では、冬場ならではのマンタ観察ポイントがあります。それは「黒島V字ドロップ」と呼ばれる場所です。水面に大量発生したプランクトンを捕食しに、時には10枚以上集まることもあり、なかなか見ることのできない腹側や大きな口を開けて餌を飲み込む光景に圧倒されます。
黒島V字ドロップの魅力はマンタだけに留まりません。リーフ沿いのドロップオフと、離れ根に切り込んだ深いV字の地形は壮観で、豪快さな景色に驚かされます。さらに深場ではキレイな体色のハナゴンベ、中層ではグルクンの群れ、浅場では暗がりにアカマツカサが見られるなど、魚種の多さもウリのオールマイティなエリアとなっています。
西表島
石垣島からフェリーで約40分、「東洋のガラパゴス」と呼ばれる西表島(いりおもてじま)は、2021年に沖縄本島北部、奄美大島・徳之島と共に世界自然遺産へ登録されたことで一気に注目が集まりました。原生林に覆われた山から栄養豊富な水が海に流れ込むことによって、独自の生態系と豊かな水中環境を作り出しています。
この時期は「鹿ノ川・中の瀬」がマンタのクリーニングステーションになっており、春先にかけて何枚も訪れます。周辺にはクリーナーの魚をはじめ、バラクーダやイソマグロも現れます。ワイド派ダイバーにとってこれ以上ない空間に、テンションは最高潮を迎えることでしょう。しかしそんな光景を目の当たりにしても、きちんと中性浮力を保ち周囲の環境に気を配る技術が求められるため、中級以上のダイビングスキルを身につけることが望ましいといえます。
まとめ
ここまでシーズンごとの石垣島ダイビングスポットについてご紹介しました。最初にお伝えしましたが、1年を通して温暖な気候の石垣島では、どの季節に行ってもそのエリアならではの魅力的なダイビングを快適に味わうことができます。また、石垣島に留まらず、離島へのダイビングが日帰りでできるのもなかなか得ることのできない体験です。
小さな島に詰まった個性あふれるエリアの数々に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。